東京五輪の不動産市場への影響は?
2013年に入ると、アベノミクスと黒田日銀による異次元緩和によって、円安と株高が進んだことで、地価と不動産価格が再び上昇しました。マンションは輸入資材高騰と震災復興で人手不足になって建設費が上がりました。都心では2007年ごろのミニバブルの平均価格に迫る勢いで上昇していきました。物件価格が高騰したことで、都心エリアには、1億円以上の物件がで増加しました。2015年には、分譲戸数の4割に達してその平均価格は8000万円を超えたと言われています。グレードの高い、質を追求したハイエンドなマンションの分譲が活発になったわけです。高級賃貸として貸し出すということも増えて、住心地にこだわる人たちも満足さえるものでした。一方で、金利は史上最低で推移していて、購入時の負担は抑えられています。都心のマンション価格というのは、株価や為替と相関するので、今後の動きは株価次第となるともいわれています。一方で、コロナ禍、東京オリンピックの延長で、2020年までを目処に完成を目指していた大規模開発のものだけではなく、山手線の新駅開業、品川駅のリニア開通といった、その先の開発も数多く計画され、それがどうなっていくのかわからない状態です。湾岸エリアや新国立競技場の周辺は公園や住宅、商業施設やホテルなどが大規模に整備されています。住みやすい環境は整っているといえます。都心の不動産価値は上昇する条件は整っているものの、経済全体の盛り上がりが不可欠でもあります。都心の住心地とは別にテレワークなどの都心離れも言われ、どこに住むのか、どんなところに住むのかが、価値観の変化も起こってくるでしょう。高級賃貸の行方も気になるところです。