六本木ヒルズは、2000年竣工の代官山アドレスザ・タワーといった商・住・オフィスといった多機能が足元に揃うコンパクトライフを実現したといえるでしょう。それにより、職住近隣といった価値観を大きく前進させたのではないでしょうか。
金融緩和と景気拡大といったものが不動産市場にお金が流れ込み、規制緩和によって都心開発も重なってミニバブルが発生したことにも影響を受け、地価とマンション価格などは急上昇していきました。それにつれ、ベイエリアのマンションが軒並み完成し、都心の人口が増え、市況も一転してきたといえるでしょう。
新価格や心身価格といわれた物件が登場したとされる、2007年では、都心の平均価格は1億円弱で、都心マンションに手が届きにくくなってしまい、価格高騰とともに、新築ではなく中古のマンションを選択肢に入れるというのが、人々のスタンダードとなっていったようです。
その結果、バブル期の名作マンションなど、年月が経っても価値を保つ中古物件は「ヴィンテージマンション」と呼ばれ人気を取り戻したようです。
2006年ごろまでは、世界的な好景気であったため、マイホームの実需に加えて、投資の対象としても盛り上がり、首都圏のマンション供給が年間7万〜8万戸台と活況を呈してきたとされます。
しかし、その一年前の2005年に耐震偽装問題が発覚し、建築規制が厳しくなったことから、建築確認の手続きが厳格化し、マンションの建築が滞ってしまい、一時供給が激減してしまったことも、価格高騰へと影響しているのではないでしょうか。
それから住宅は量から質になっていき、住宅性能表示制度が普及してマンションの品質は大きく向上したといえます。また石原都政のディーゼル車規制で都心の空気もきれいになり、後年の都心のライフスタイルの価値向上に貢献したと思われます。その後2008年のサブプライムローン問題やリーマンショックによって不動産バブルは終焉したとされています。